親業訓練協会

新型コロナウィルスに負けず、家にいる子どもと仲良く過ごす

2020年05月01日 掲載

新型コロナウィルス感染防止のために、いつもならば学校に行っている時間も子どもが家にいます。同じように、仕事に行っている自分や家族も家にいます。このことで、これまでならば起きないような怒りや対立が生じていることも報道されています。
学校が休校というのは休みではないのだから、学校に行っているときと同じ位の時間勉強すればいいのに…と親は思いがちではないでしょうか。しかし子どもは、同じようには考えるとは限りません。親が期待する通りの行動はしないこともあります。

例えば、なかなか机に向かわずにゲームをしている子どもの姿を見て、「早く勉強をやりなさい!」「何をダラダラやっているの!」などと親は言いがちです。でも、自分が何かしているときに、周りの人からこのように言われたらどのように感じるのでしょう?あまり良い気持ちにはなりませんし、逆に言われたことでやる気がなくなる、反発心が湧くなどということもあるかもしれません。
この言い方は主語が隠れていますが、主語は「あなた」なのです。あなたを主語にして伝えられると、攻撃された、非難されたと感じやすいです。すると、反発したり、本心とは裏腹に敵意を持ちながら従ったり、ときには逃げ出したりします。

どうして子どものやっていることを見て、親は「嫌だな」と感じたのでしょうか。親にとって影響がある場合には、そのことをはっきりと伝えたいです。もし子どもが部屋に行って勉強を始めないと、リビングの掃除ができないという影響がある、などです。このようなケースでは、子どもの「行動」、自分(親)への具体的な「影響」、どのような「感情」なのかを、わたしを主語にして3部構成で伝えます。ゴードンメソッドでは行動を「やっていること」や「言っていること」など事実として捉えます。「あなたがゲームをやっていると、私はリビングの掃除ができなくて、とても困るんだ」というような感じです。「〜しないと」とか「〜してくれないと」など、親がこうさせたいというようなことは入れません。伝えた後に、もし子どもから反発があったら、「そうか。自分からやろうと思っていたから、言われたくなかったんだ」などと子どもの言い分をしっかりと聞きます。

子どもの行動が親に具体的な影響を与えていないときに、先ほどのように言うことは難しくなります。影響が抜けたり、子どもへの影響になったりしがちです。すると、子どもは親に影響がない、迷惑をかけているわけではないのだから構わないだろう、口うるさいなと感じて、親子関係を悪化させやすいのです。
自分には影響はないけれど、子どもために良くないと思うのは、親の価値観が影響しています。なぜ勉強が大切だと思うのかを親の経験などを含めて、お説教ではなく、親の価値観を丁寧に語ることをします。また、自分も勉強を楽しんでしている姿を見せていくことも、即効性はなくても効果的です。

これらのことだけでも、親子のコミュニケーションにゆとりが生まれてきます。そのほかにもゴードンメソッドでは、子どもに伝えていく方法や対立を解決していく方法があります。親子が長く一緒にいる時間は鬱陶しいこともあるでしょう。でも「一緒にいられる時間」でもあります。「親として自分は何を伝えたいのか」を再考する時間にもなりそうですね。