事例・体験
夫の仕事の悩みに耳を傾けたら埼玉県(夫50歳)
【状況】
会社で、リストラをめぐって組合側と対立が続いているといい、最近とても疲れている。帰宅後、不機嫌な様子で深いため息をついていたので、とにかく聞こうと思った。
- 夫:
- 「もうやっていられないよ」
- 私:
- 「なんだか、今日もすごく大変だったみたいね」
- 夫:
- 「うん、まあね。あいつらは自分のことしか考えていないんだ」
- 私:
- 「そう・・・。自分たちの立場ばかり言ってくるのね」
- 夫:
- 「やるべきことをやらないで、文句ばかり・・・・・・。乗っている船が沈んだら、自分だって危なくなるのに、全くわかっていないんだ」
- 私:
- 「会社がギリギリの状況だということ、わかってくれないのね」
- 夫:
- 「そうなんだ。責任をとれだとか、訴えてやるだとか。もう勝手にしてくれと言いたくなる」
- 私:
- 「そんなことを・・・・・・」
―こんなやりとりが続いた後―
- 夫:
- 「まあでもね、抵抗しているのは一部の人間ではあるし・・・・・・。こういうことは、性急に進めてもうまくいかないんだよね」
感想
以前は、つらい状況から早く抜け出させたくてあれこれ言い、かえって感情的にこじれてしまうことがよくあった。今日は「助けることはひたすら聞くこと」と心の中で唱えながら聞いていた。鬱積した思いを吐き出した後、夫は自分の気持ちを立て直すことができたようだった。聞くことに徹していると、夫の立場の大変さ、つらさが伝わってきて、思わず「ごくろうさま」と言いたくなった。