事例・体験
長男の本心がわかって(子ども17歳)
【状況】
高校3年の長男、来春卒業をひかえて先日クラス懇談会があり、担任の先生より進路についてお話がありました。
帰宅後そのことについて話し合いをしましたが、長男は大学へは行かないといいます。
- 子:
- 「ぼく大学へは行かないよ」
- 母:
- 「そう、大学に行くのがいやなのね」
- 子:
- 「そうさ、勉強が好きじゃないのに、大学に行っても意味ないよ」
- 母:
- 「勉強が好きじゃないから、大学に行ってもつまらないと思っているのね」
- 子:
- 「うん、だけど高校出てすぐ就職するのはいやなんだ。なにかやりたいんだけど、それがまだわからないんだ」
- 母:
- 「高校卒業したらすぐ就職しないで、他にやりたい事があるようね」
- 子:
- 「うん、ぼくね専門学校へ行って何か技術を身につけたいんだけど、何をやったらよいか、特にこれといったものがなくて迷っているんだよ」
- 母:
- 「将来のことを考えて迷っているようね」
- 子:
- 「そうなんだ。始めはコックになりたいと思っていたんだけど、一人前になるまではすごく大変なんだってさ」
- 母:
- 「一人前のコックになるまでのきびしさに耐えていけるかどうか心配なのね」
- 子:
- 「うん、それにね、料理学校へ2年行った位では就職がむつかしいんだってさ」
- 母:
- 「就職出来るかどうかを考えているのね」
- 子:
- 「そうだよ。やっぱり少しでもいいところに就職して、給料も多い方がいいしさ」
- 母:
- 「そう。お給料が沢山ほしいと思っているのね」
- 子:
- 「そりゃそうだよ。車も買いたいし、将来家も建てたいしさ」
- 母:
- 「車も家も自分の力で買いたいと考えているわけね。お兄ちゃん頼もしいね、ただね自分に合ったやりがいのある仕事いうことも大事だと思うのよ」
- 子:
- 「うん、それなんだよなあ・・・友達ともよく話しするんだけど、一生のことだからもう少し考えてみるよ。だけど大学へは絶対行かないからね」
- 母:
- 「そう、あなたの気持ちはわかったわ。自分の気持ちがもう少しはっきりしたら又話してほしいわ」
- 子:
- 「うん、わかったよ」
感想
動的な聞き方によって長男の本心を知ることが出来ました。夫も私も大学へ行ってほしいと思っていましたが、長男の意志が固いので、これからは本人の希望をかなえてやれるよう努力してみようと話し合っております。
又長男が自分で考えて一番いい道を選べるように、適切な助言が出来るようになりたいと今各種の資料を集め研究しているところです。
−このことがあってから1年近く経ちました。長男は、自分から希望して、接骨医になるのだと、専門学校を受験しました。あいにく、失敗してしまいましたが、現在は、接骨医院で見習として働きながら夜は再受験を目指して予備校にも通っています。大学受験を強制しなかったことで、親子の関係もとてもうまくいっています。