いい人間関係のヒント

事例・体験

教師学で変わった
子ども間の対立を解決する介入的援助法

■実践例

子どもたちの間にはいろいろな対立が起こります。教室にゴタゴタは付き物です。ゴタゴタが起こらない教室の方がおかしいのかもしれません。
しかし、教師にとってゴタゴタへの対処はかなりのエネルギーと時間を使います。だからゴタゴタを嫌う傾向があります。
教師学では、人間の関係には対立は起こるのが自然だと考え、対立が起こることが問題なのではなく、一つ一つの対立がどのように解決されているかが大切だと考えます。
教師がその対立の当事者である場合は勝負なし法で解決することを教師学は提案していますが、子どもたち同士が対立していて教師は第三者である場合は、能動的な聞き方を用いて、子どもたちが彼ら自身でコミュニケーションを進めるようにファシリテーター(話し合いの促進者)の役割に徹することを提案しています。
小学校1年クラス担任の先生の実践例を紹介します

☆遊び仲間に入れない (小学校・岐阜・30才)

小学校1年のYとMとの間の対立

Y:
「まさ子先生、Mさんね、僕と遊んでくれへんもん。遊ぼと言っても、だめって言うで」
教師:
「Mさんに遊ぼって言っても、いいって言ってくれないの?」
Y:
「うん。いつもそうや。Dさんとかは遊ぶのに」
教師:
「Yさんは、Mさんと遊びたいんだね」
M:
「だって、僕、もう他の子と約束したもん」
Y:
「ほら、いつもそう言うもん」
教師:
「約束を他の子としてしまったから、Yさんとは遊べないの?」
M:
「うん。だって、みんなだっているし」
教師:
「YさんはMさんと遊びたいって言っているけれど、Mさんは約束をしてしまったからと言うから、どうしたらいいかな。一緒に考えてみようか。このままではお互い、先生もこの辺モヤモヤするから」
Y:
「僕、もういい。あきらめる」
M:
「僕、約束したDさんとかにいっしょに遊ぼうって聞いてくる」
Y:
「本当?」

感想

学校終了後の遊びのことでYが怒って私のところへ来たことから始まった。いじめというのではなく、MやDは保育園からの大の仲良しで自然と遊ぶ約束ができるのに、Yはその後になるためこうしたことが起こる。  以前は「Mさん、そんなこと言わんと一緒に遊んであげてやー」と押しつけていたが、私の言い方も少し変わったと思う。

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